広島市中区の新宮原(しんぐうばら)栄子さん(81)が9月19日に東京であった「全日本レディース4ツ球選手権」で優勝した。競技ビリヤード「キャロム」歴は半世紀以上。毎日2~5時間の練習を欠かさず、さまざまな世代の仲間から「お母さん」と呼ばれながら指導にも尽くしている。
「力を抜いて真っすぐ突いて」「ナイスショット」―。広島市南区出島にある「ビリヤードクラブあかつき会」の練習場。いつもは笑顔の新宮原さんが勝負師の表情を見せていた。
キャロムとの出合いは約60年前。南区宇品で父が経営していたビリヤード場を手伝い始めたのがきっかけだ。
父や夫とともに南区宇品や中区千田町、三川町などで40年以上ビリヤード場経営を続けたが、夫が体調を崩すなどして1992年に閉店。しばらくキューを握らなかった。
2002年に、かつての常連から誘われて、あかつき会に通うように。新宮原さんは「ビリヤード場が一番落ち着く。若い人と交流できて今ではライフワークです」。来年も全国の頂点に立つため、今日もテーブルに向かっている。
【写真説明】真剣な表情で玉を突く新宮原さん |